SMALL CAPITAL

 用を済ませて帰宅すると、テレビでは内村選手がコバチ、コバチ、コールマンと決めるところだった。
 そんなテレビの国際映像を見ていて気になったのは、選手の名前の表示法である。体操競技の男子個人総合では次の3人の選手がメダルを獲得したが、注目すべきは《姓・名》、《名・姓》の順序である。

 YANG Wei (China)
 Kohei UCHIMURA (Japan)
 Benoit CARANOBE (France)

 テレビでは、姓はすべて大文字、名は最初の1文字が大文字でその後のすべての文字はスモール・キャピタルで表示されているのだが、ここでは大文字と小文字を用いた。
 体操競技を見る限り、《姓・名》の順で表示されているのは中国と韓国の選手だけで、日本を含めた他の国の選手は《名・姓》の順で表示されているようだった。中国と韓国の人名を《姓・名》の順で示すならば、日本人の名前も同様に《姓・名》の順でよいのではないかと思うのだが、いったいどのような背景があるのだろう。ちなみに、北京オリンピックの公式サイトを見たところ、すべての選手の名前が《姓・名》の順で統一されているようだ。
 姓名の順序の問題について、宮田先生は『教壇の英文法』の中で3ページを使って独自の論を展開されている。初版から12版までは418ページ、改訂版では510ページにある「Taro Yamada ---国際社会における姓名の問題」という名の解説がそれである。この本に触れる機会があれば、ぜひともご一読願いたい。