Careless Whisper

 朝起きてみたらまったく声が出ず、ずいぶん咳が出る。ささやくようにしか話せないので、口で説明するのも億劫だと思い、症状をワープロで打ってかかりつけの内科に持参した。診ていただいたところ、どうも声帯が腫れているようだ。2年前、やはり学会の総会・大会の直前に声が出なくなったときとよく似た症状である。ただし今回は身体のだるさはなく、医師の見立ても「咳はのどから来るものではないか」とのこと。いわゆる風邪の延長ではないようだ。抗生剤を処方してもらい、だいぶ楽にはなってきた。
 テレビやラジオで話すことを生業にしている人が声をからしているのを聞くと、なんとだらしないことかなどと思ったものだが、いやはや、なんとも面目ない次第。もう、ひとのことはとやかく言わないことにする。注意していたつもりではあったが、やはり注意が足りなかったか。ひと仕事終わってホッとしたということもあるのだろうが。
 取りあえずの問題は明日の授業だ。3コマをどう乗り切るか。こんなときのために Silent Way を身につけておけばよかったと、教科教育法で「不可」を食らいそうなくだらないことを思ってみたり。「Silent Way と Input Hypothesis を組み合わせて得られる結論は『あるとき、堰を切ったように黙る』」というジョークは通じるだろうか。Gattegno先生、Krashen先生、ごめんなさい。僕は、とにかくこの咳を断ち切りたい。