西へ東へ

 高尾で3コマのあと京王電車で新宿へ戻り、置いておいたクルマで荻窪へ。高校1年生の家庭教師である。2時間の勉強で「句」と「節」のことがずいぶんわかったようで、僕もうれしくなった。
 高尾の体育推薦2年のクラスでは「プロ野球『セントラル・リーグ』のすべての球団名を英語で書きなさい」という抜き打ちテスト。ファイターズに入団した新人選手が、ファンから渡された球団名入りのタオルを見て「これ、何て書いてあるの?」とたずねたという噂を聞き、僕のクラスを終えてプロ入りした選手にそんなことがあっては困ると思い出題してみた。もっとも、クラスに野球の選手はいないのだが、願いはそういうものだということである。
 結果は、ショックというよりは現実をしっかり見据えようという決意を固めさせてくれるものであった。某球団の終身名誉監督は学生時代に the を「スエ」と発音したという都市伝説めいた噂もあるようだが、たぶん本当だろう。その大学の応援歌は歌詞が英語だが、その方はまったく歌えなかったという話もある。これは実際にテレビで見たから本当だ。その方やクラスの学生を笑うつもりはまったくない。彼らにとって(そして、この自分にとっても)英語を学ぶ(あるいは身につける)とはどういうことなのか、この1年、よく考えていきたいと思う。
 今日のところは、ついでに「私は〔球団名〕が好きです」という文も書かせ、球団名の前には the が必要であることもおさえた。また、tigers の s は /z/ と発音することや、carp の語末に s は要らないことも確認しておいた。次回は「パ・リーグ」。また buffalo を語ろうか。