ちょうどよいのがちょうどよい

 英文科の授業を3コマ。教科書が揃わないので、投げ込みのプリントを用意する。聴き取り・書き取りから作文につなげていくこの教材は、実は昨年まで高校3年生と一緒に勉強していたライティングの教科書にヒントを得たもの。反応が少し心配だったが、ずいぶん好評だったので安心した。レベル的にもちょうどよかったように思う。高校では2コマを当てていた教材が90分の1コマに収まるのもありがたい。
 亡くなった伊藤先生が大学生の英作文の教材として高校の検定教科書を指定したいと真剣に考えていらっしゃったことを思い出した。市販されている大学用の教材のすべてを見たわけではないが、印象としては、難しすぎるものと易しすぎるものの二極化が進んでいるように感じられる。ちょうどよいものを求めて検定教科書という結論に至ったのは、先生の卓見であった。今日、実際に高校向けの教材をアレンジしたものを使ってみて、その眼差しにあらためて学んだ思いがした。