夜汽車が走る

 寝台急行「銀河」が今夜限りで廃止されるとあって、東京駅の9番・10番ホームは人であふれ返っていた。その中を22時00分ちょうど「サンライズ瀬戸」は緩やかに発車した。大きな窓からは、ちょうど同じ頃に東京駅を発車した700系「のぞみ」の姿が見える。さっそくパソコンを立ち上げ、ついでに缶ビールをプシュッ。生まれて初めての寝台列車の旅は始まった。
 人間は大きく2つに分けられるようで、1つは汽車に乗ることを楽しみとできる人、そしてもう1つはそうできない人。亡くなった祖母は京都で保健所の副所長をしており出張の機会も多かったようだが、母の話によれば、東海道線で旅することを楽しみにしていたという。その意味では、鉄道好きは祖母譲りか。鉄道趣味のある女性を「鉄子」というそうだが、そう言えば今日の東京駅のホームにも女性の姿が多かった。
 今日はA寝台「シングルデラックス」を奮発してしまった。ずいぶん立派な個室で、大きなテーブルに洗面台、テレビまで付いて、ちょっとどうしようという感じ。高松着は明日の朝7時26分の予定だが、眠れるかしら。