飲み過ぎ注意報

 夕刻、Et君と江古田。数年を過ごしたことのある町だが、駅があまりにもきれいになっていたので驚いた。南口の駅前は広場が整備中で、昔の大劇場のオーケストラピットのような形をした花壇らしきものが造成されつつあり、その弧に沿って歩きたくなる。歩かないけど。
 まずは、煮込みにフワの入っているのが特徴だったOを訪ねる。ここに住んでいた頃、煮込みが好きだという若い編集者さんをここへ案内したことがあったが、あの人のあのときの感激ぶりは尋常ではなかった。ただ、店の造りもメニューも昔のままなのだが、煮込みの中身だけはずいぶん変わってしまったようだ。
 2杯で出ることにし、すぐに線路の北側のWへ。入れるかと心配していたのだが、客は私たちだけ。あふれかえるほどの賑わいを見せていた頃が嘘のようだ。平目の刺身も小鰭の酢の物も実にきちんとしたものだし、やきとんも水準以上であることに間違いはないのだが、いったいどうしたことか。このような居酒屋が流行らなくなってしまうことを、ただ「時代」ということばで片付けてしまってよいものかと悩む。
 Et君とは、もう少し夜の深いところまで。飲み過ぎ注意報は18時頃には発令されていたのだが、私たちにはまるで効き目がなかった。