可愛い子のホット

 午後、久しぶりに「まるます家」へ。自分はいつものジャン酎にしたけれど、寒いこともあって、燗酒を注文する客も多い。
 お姉さんたちが、大きな声で「可愛い子のホット」とリレーして注文を通す。この店で出す酒は、新潟の「長陵」、灘の「富久娘」、地元・赤羽の「丸眞正宗」と何種類かあるのだが、「可愛い子」というのは「富久娘」のことだ。
 カウンターで呑みながら、可愛い子のホットと聞いて陽月華を思い出す。だが、この連想は振り返ってみれば明らかな間違いだったと言わざるを得ない。陽月華は足立区出身の数少ないジェンヌの一人だが、彼女は可愛いというよりはかっこいい。ただ、ずいぶんとホットな感じはする。