今日のつぶやき

 午後、近所の郵便局に行くついでに浅草。ついでにしてはずいぶんと距離があるが、気にしない。
 夕刻、雷門の近くにある「酒の大枡 SAKE BAR」にふらりと。ここは日本酒の品揃えもよく人気の店だ。最近は満席で入れないことも多い。
 今日は千葉県の酒々井にある飯沼本家という酒蔵が出張って試飲のサービスをしてくれた。2種類の「一喜」という酒を味見させてもらったが、ずいぶんと淡麗なので驚いた。燗にあうであろうと1合ばかりぬるめにつけてもらったら、これが実によい。栃木は那須の酒「東力士」の山廃純米のキリッと冷えたのを5勺もらって、さっと締める。
 それで帰ればよかったのだけれど、うっかり観音さまの左手の方に足を伸ばす。友人とずいぶん飲んだあとに出向くことはあったけれど、1合5勺ばかりでひとり足を踏み入れるのは初めてのことだ。
 ううむ。何かが違う。ここは、Eさん・Uさんと3人で来たときには楽しいところだったのに、こちらの酔いが足りないのかしら。で、ポツリとあるところでつぶやいてみる。

 ホッピー通りやら煮込みストレートやらともてはやされているけれど、結局は観光地価格に慣れきってしまった志の低い商人たちがガイドブック片手の人々を迎え入れては後ろを向いて舌を出しているといったところなのだろう。その意味では、短波ラジオのイヤホンをつけて競馬新聞とにらめっこしているおっさんたちがウロウロしている頃の方が、この町はずっと健全だった。

 このままでは帰れぬと、もう1軒。で、またひとこと。

 軽く日本酒だけ飲んで帰ればいいのに、来なくていいところに足を踏み入れるからややこしくなる。隣のお兄さん、こんなにところで蘊蓄を語る暇があったら、千円で腰が抜けちゃうような店に通って痛い思いのひとつもしておいで。この通りに来て2軒目の煮込みはまともだが、酎ハイは「焼酎のソーダ割り」という特注品らしい。早く帰ろう。

 ガイドブックに載っても、テレビに出ても、きちんとしたところはたくさんあるのだが、なあ。