M&M

 私が初めて宝塚を「生で」観たのは2000年の春休みのことだ。何の用だったか関西方面に出向いたついでに、一緒だった当時の同僚とまさに「野郎」2人で大劇場に出向いたのである。その頃の私は特にファンということでもなく、どちらかと言えば夢中になっている姪を冷ややかに見ていたのだが、どうした風の吹きまわしかそういうことになってしまったのだった。
 演目は月組のミュージカルファンタジー「LUNA―月の伝言」とショーイリュージョン「BLUE・MOON・BLUE―月明かりの赤い花」だった。真琴つばさ、檀れい、紫吹淳、初風緑、千紘れいか、大和悠河、霧矢大夢、大空祐飛。今にしてみれば、何とも豪華なメンバーである。実を言うと芝居の印象はほとんど残っていないのだが、ショーの華やかさは私をとらえて離さなかった。
 このとき、月組の娘役トップに大抜擢されて1年になろうという檀れいを初めて見た。一言でいうならば、私はすっかりまいってしまったのである。炭酸せんべいなどを土産に、興奮して「赤い花」の美しさを語ったりするものだから、千紘れいかのファンだった姪からは面倒くさがられる始末だった。
 その時からはや11年の歳月が流れた。それこそ研1の頃からチェックしていたなどという人を前にすればまったく恥ずかしい話なのだが、それでも「母べえ」や「金麦」でファンになったなどという人には、ちょっと一緒にしてもらいたくないという思いも抱いてきた。今日、檀れいさんと及川光博さんが結婚を発表。こころからお祝い申し上げる。