ういろ・ないろ

 吉祥寺、上野原、西落合。バタバタと動き回る日常が戻ってきた。家庭教師先のお父さんは風邪とのこと。うつしてはいけないからと、ドア越しの会話となった。本人もトイレに行ったらしばらく戻って来ず、そのうちうめくような声が聞こえてきた。体調が思わしくなく嘔吐したと言う。その後、何ごともなかったように勉強を続けたのだが、ちょっと心配だ。大事にしてもらいたいと思う。私もなんだか急に寒気がしてきたし、気をつけねば。
 岐阜出身の友だちからのメールに、ういろうで「マニアック」なのは青柳か大須かとあった。東京辺りの人は青柳は知っていても大須は知らないことが多いと答えたが、彼は「マニアック」な大須の方が好みで、名古屋に出張する後輩に正しく土産を頼めたのかが急に不安になったとのことだった。
 実は私も、名古屋のういろうは大須の方が好き。正確には大須は「ういろう」ではなく「ういろ」だが。青柳は「白黒抹茶あずきコーヒーゆずさくら」、もしくは「白黒抹茶上がりコーヒーゆずさくら」のCMが東京でも流れていた。あずきと上がり、どちらを覚えているかで世代や青柳ういろうとの距離がわかる。
 ういろうと呼ばれる菓子は各地にあるようだが、いただきものをしてからは山口の外郎もファンになった。中でも特に有名なのが「豆子郎」。これがどういうわけか田園都市線のあざみ野駅前で買える。十数軒の直営店舗があるのだが、県外にあるのはここだけ。それがなぜだか神奈川県横浜市青葉区なのである。和菓子界の大きな謎のひとつと言えようか。