二十年後

 吉祥寺では After Twenty Years の2回目。高校時代にオー・ヘンリーの世界を通り抜けておいた方がよいという親心か老婆心か、そんな思いで選んだ教材である。
 私の高校時代には、これが検定教科書に載っていた。ストーリーもさることながら、文法や語法について教えられることの多かったことをよく覚えている。思えば、もうとうに二十年以上の時が流れてしまったのか。
 高校1年生にはさすがに難しいようで、生徒たちの反応が違う。もちろんいい意味で。いわゆる「食いつき」がよいのである。これまでの教材がやさしすぎたのかも知れないが、手に負えないほどの難しさでないところがオー・ヘンリーのすばらしいところ。
 今年はオー・ヘンリーの没後100年にあたるとか。一世紀のときを越えて、なおもいきいきと息づく物語の数々を思う。並ぶことばの隅々にまで気を配り、英語を読み味わうという経験を積んでもらいたいと願っている。