私は菊乃家ですが

 このところ手みやげの定番にしているのが「銀座菊廼舎」の「冨貴寄」である。どちらに差し上げてもすこぶる評判がよいのでうれしい。なにやら岸朝子さんの手みやげの本にも載っているそうだが、それを聞いて「岸さんもなかなかのものだ」などと偉そうな口をきいたりするから少々始末が悪いのである。
 「ふきよせ」というのは干菓子を盛り合わせたものを指すことば。京都は柳馬場通四条にある「ぎぼし」の「吹よせ」も有名だが、「銀座菊廼舎」の「冨貴寄」とは中身がまるで違う。そしてそれぞれに美味しい。たまたまどちらの空き缶も手許にあったので、今日の一枚に写してみた。左が「冨貴寄」で右が「吹よせ」だが、意匠を見たところ、左の方が京っぽく右の方が江戸っぽく感じられるのは私だけか。