旅ゴメ、えち鉄

 この水曜日、テレビでキャイ〜ンのウド鈴木が福井県の坂井市を旅しているのを見た。テレビ朝日系列の名古屋テレビ(メ〜テレ:NBN)が制作した「ウドちゃんの旅してゴメン」という番組で、独立U局のテレビ埼玉(テレ玉:TVS)が遅れネットしていたものらしい。
 温かい人々の飾らないことばに触れ、夕日に朱く染まる日本海を見ていたら、旅をしていない自分までなんだかウルっときてしまって、傍から見れば私はウド鈴木を見て泣いてしまったわけだな。
 番組の中で「えちぜん鉄道」という電車に乗る場面があったのだが、その車体を見ているうちに、以前、職場の教科の研修で福井県の武生市(現在の越前市)を訪ねたことを思い出した。この「えちぜん鉄道」という聞き慣れない名前の電車は、そのときに乗った京福電鉄のことか。さっそく調べてみると、その通り。紆余曲折の末に、第3セクターとして生まれかわったものだとわかった。
 調べる過程で気になってしまったのが、この鉄道に「アテンダント」として働く女性が書いたという『ローカル線ガールズ』という1冊の本。アマゾンにはこんな紹介がある。

奇跡の復活 えちぜん鉄道、優しい成功。
 小さな、小さな電車が奇跡を運ぶ!廃線から鮮やかな再生を遂げ注目される福井えちぜん鉄道。「運輸はサービス業」を実践するアテンダントの活躍と努力を描く。
 最悪の事故で“捨てられ”、市民と行政、地元経済界の熱い活動で生まれ変わった福井県のローカル線「えちぜん鉄道」。古い駅舎、不便な無人駅というローカル線お決まりの「欠点」を「長所」に変えたのは、前職の知恵を携えて新たに集まった社員たちの発想と議論、そして出た結論「ローカル線も、接客業だ」を実践する12人のアテンダントの努力だった……!「人を大切にすれば結果は出る」新発想の経営で全国が注目する“小さな電車の大きなホスピタリティ”。

 さっそく読んでみたけれど、よい本だった。芦原温泉まで行きながら吉崎の御坊を訪ねなかったことを悔やんでいる門徒としては、いつかこの地の再訪を果たし、生まれかわった「えち鉄」にも乗ってみたいものだと思う。