山には山の愁いあり

 生田は前期の最終授業。これまでを振り返る試験を実施し、あわせて自己評価票の提出を求めた。自己評価票には担当者への一言も書いてもらったが、きわめてストイックなコメントが多い中、担当者である私自身が気にしていたことを見事に指摘するものも散見され、学生諸君の目の鋭いことをあらためて実感する。
 いったん自宅に引き返し、クルマを置いて茗荷谷へ向かう。高尾の大学の講師懇談会は「文京の名門」が会場。久しぶりに訪れたホールは、福田陸太郎先生のお別れ会の会場と同じだった。二人の副学長先生をはじめ、お世話になっている方々とことばを交わし、意義深い時間を過ごした。
 伊藤先生が亡くなって、この28日でまる4年になる。先生のご命日に、たとえば「桜桃忌」のような名前をつけることはできないかとずっと考えていたのだが、思いがけずO先生よりよいアイディアをもらう。その意味でも意義深い夜となった。