事務は人

 会員のYさんより事務局宛てのメール。「今年度の会費をまだ払っていない。払込票を送ってもらったのを見過ごしたのではないかと思うので、今一度送ってもらえればありがたい」とのこと。
 いえいえ、きちんと納めていただいていますよ。しかも昨年度のうちに。こういう人たちに支えられて、小さな会は確かな歩みを進めていくのである。
 所属している別の会で、今年度の会費を納めているか不安だったので、大会の際に受付で尋ねてみた。すると、未納者に督促状を送るラベルを仮出力した何枚かの紙をピラピラさせて、そこに名前がないことを確かめてくれた。つまりは納入済みであるということである。
 私だったら、事務局を預かる人間として、こういうときにはきちんと台帳に当たる。今日も、ファイルメーカーを使って電子化した会員台帳で確かめてから返信した。この会だって、昨年までは台帳で確認してくれていたのだ。カード式の古めかしいものだったが、しくみは相当に合理化されているように見受けられた。
 督促状を送るラベルを仮出力したものがあったということは、この会も会計を電子化したということなのだろう。電子化も合理化も、まことに結構なことである。しかし、事務仕事が人間のぬくもりというものを失ってはいけない。
 この会からは、会費の納入を忘れることがないように、自動引き落としの手続きを取ってはどうかと勧められた。「ボーナスの出たときに、ちょっと多めに口座に入れておいてもらえればいいので」とのことだったが、非常勤暮らしの人間にボーナスはない。
 人を見てものを言ってくれ。口には出さなかったが、まさに事務は人である。