Nagasaki City Serenade

 長崎駅に旅情を感じるのは、ひとつには、それが終端駅だからである。列車は迎えられ、見送られる。決して目の前を通り過ぎることはない。旅を終えた列車が折り返してはまた旅に出て行くさまは、港の姿に重なって見える。
 長崎の夜景が美しいのは、ひとつには、それが地平の果てに吸い込まれて消えてしまうことがないからである。遠く近く、対面する丘の上にいくつもの明かりが灯るさまを見ていると、夜空に包まれているような気分になる。
 長崎での大会を終え、今日は昼まで見学会。長崎大学経済学部附属図書館の「武藤長蔵文庫」、シーボルト記念館、ラナルド・マクドナルドの碑、長崎歴史文化博物館、山手の旧外国人居留地、出島などを巡る。心地よい疲れのうちに羽田に戻ったのは21時。明日からいつもの毎日が待っている。