特急の風格

 夜、西落合で勉強。行き帰りには西武池袋線の踏切を渡るのだが、今日の帰りはもう少しというところで遮断機が下りてしまった。待っていると、目の前を懐かしい塗色の車両が通り過ぎて行った。
 レッドアローだ。
 1970年度のブルーリボン賞を受賞した5000系と同じ色の電車なのである。まさか、富山から里帰りでもしたのか*1と思って顔を確かめると、NRAこと10000系であった。この夏、10107編成が「☆のある町秩父長瀞」号として緑色を基調にしたラッピングで走っているのを見たときにはすぐに10000系とわかったが、今回は顔を見るまでまったくわからなかった。
 帰って調べてみると、10105編成が「レッドアロークラシック」として塗色変更され、この11月27日から運用されているのだそうだ。全体をクリーム色に塗りかえ、赤い帯はテープを用いているとのこと。5000系の特徴だった先頭部のステンレスプレートも、テープをうまく使って丁寧に再現されている。
 優等列車にとって塗色というのは本当に大切なものなのだ。NRAのような殺風景な特急も、色を変えるだけでこの風格。いいぞ、西武。やればできるってことだ。

*1:2編成5両の上物だけが富山地方鉄道に譲渡され16010形として活躍中。