玉石混淆

 今読んでいるのは、新潮新書の『編集者の仕事:本の魂は細部に宿る』という本だ。著者は新潮社で長く編集の仕事に携わっていたという柴田光滋氏。
 荒川洋治さんがラジオで紹介しているのを聴き、ずいぶん前に買い求めたのだが、なかなか開く時間が取れずにいた。本が「モノ」であることを再認識させてくれる面白い一冊だ。
 日頃、書物からテキストだけを切り離して読むことが多くなっているけれど、「モノ」としての本への憧れは決して失ったわけではない。以前、江川泰一郎先生が『英文法解説』を出されたときのご苦労をうかがったことをここに記したが*1、本をつくる人の矜持というものを改めて思った次第。
 同時に買い求めた同じ新潮新書のナンチャラ英語の基礎知識とかいう本が、たとえテキストだけを切り離したとしてもあまりにくだらなかったもので、今日のタイトルを思いついた。ナンチャラ英語…の書名は忘れたことにしておこうかな。

*1:http://d.hatena.ne.jp/riverson/20090701