見て過ごす一日

 映画『南極料理人』を見に行く。何か大きな事件が起きるというわけではないのだが、人間のごくごく小さなこころの動きが描き出されていて引きつけられた。それにしても見ていて腹の減ること。たった一度の「うまい」という台詞も効果的。
 夜はNHK教育テレビで「N響アワー:ほっとコンサート/今年は祭りだ!」を見る。吹奏楽が好きなのだ。コントラバス・クラリネットを演奏するさまが映し出されて少し興奮。標準的ではない大きさの楽器にひかれるのはなぜだろう。そういえば、先の曲がったソプラノ・サクソフォン(curved soprano saxophone と呼ぶらしい)を初めて見たときも不思議な高ぶりを覚えたものだった。
 高校時代、自分も演奏するというT君に誘われて石橋メモリアルホールにフルートだけのコンサートを聴きに行ったことがあった。あのときはコントラバス・フルートという奇妙な(失礼)楽器を見てひどく驚いた。T君は音大に進んだのだったか。それにしても、どうしては彼は僕を誘ってくれたのだったか。
 そのあとは、引き続き「ETV特集:シリーズ戦争とラジオ(第2回)日米電波戦争〜国際放送は何を伝えたのか〜」を。こんなに教育テレビを見るのは風邪で小学校を休んだとき以来か。プロパガンダ。和平への橋渡し。放送の戦争責任について思いを新たにした。できることなら、古い録音の聴き取りにくい英語に英語の字幕が欲しかった。