年度

 生田で3コマ。新年最初の授業は年度の最後の授業に当たり、期末の試験を実施する。2012年の1月から3月は、学校の年度としてみれば2011年度である。言わずもがなのことではあるが、ここはきちんと確認しておかねばならない。
 先日の発表でも話題にしたが、都道府県立の新制高等学校の「入試」に初めて英語が導入されたのは昭和27年のことだ。これは昭和27年4月に入学する者、つまり昭和27年度の入学者を迎えるための「入試」におけることであり、それは昭和27年の1月から3月の間に実施されたのである。だから、この試験が行われたのは学校の年度としては昭和26年度中ということになる。このあたりは、これくらいクドクドと言っておかないと妙な誤解のもとになってしまう。
 最近の私の調査によれば、新制中学校卒業時のアチーブメントテストに英語が導入されたのは、某県において昭和24年度中に実施されたものが最初のようだ。このテストは昭和25年の3月に行われたので、受験雑誌などでは昭和25年度の入試問題と同列に扱われている。このように細々(こまごま)としたことを明らかにしていくのは楽しいが、なかなか先に進まないもどかしさも感じるところだ。
 さて、学生は試験を終えるにあたり「来年は専門科目を持ってください」とか「来年はゼミに入れてください」などとうれしいことを言ってくれるのだが、私においては、この「来年」というのは「来年度」のことだと理解しなければならない。そして、学生諸君においては、非常勤の身では専門科目もゼミも持てないのだということを認識してもらわなければならない。