今さらながら(10)

 インターネットで「96年月組」と「CAN-CAN」をキーワードに検索。某動画サイトの映像がヒットしたら、躊躇することなく視聴する。ゆうこさんこと風花舞が、その名の通りクルクルと舞っている。
 これはすごい。まさに歌劇の真骨頂である。しかも、このときのゆうこさんは2年前のロンドン公演で痛めた左膝に爆弾を抱えていたというのだ。
 彼女ひとりでなく、舞台に立つすべての人々が実にいきいきと舞い踊っている。いつの間にかウルウルとしている自分。確かな技量とたゆみない努力こそが華やかな舞台を支えている。今さらながら、そのことを思う。