現場主義

 学生に話しているうちに思い出したのだが、「延々と」ということばを「永遠と」と間違えている人が増えてきてはいないか。帰宅して調べてみると、この間違いは2000年頃にはネット上に出現し、小説にもすでに登場しているとのこと。以前から気になっていたが、どうにもひどいことになっているようだ。
 先日は、TPPのことを扱ったテレビ番組で「この流れに棹さしてはいけない」とTPPの「賛成派」の人が言っているので戸惑った。しばらく考えて、誤用を容認している人なのだと理解したが、「なんとか物産」で偉くなって政治や経済に意見している人でも、そんなものなのだと思った。
 悲しいのは、「正しい」とされていたことば遣いを守っていたら馬鹿にされたり笑われたりすることだ。ことばは時代とともに変化するものだということは許容しながらも、その現場に立ち会うのはなんとも苦しいことである。