住民の要望

 帰宅すると見慣れぬ封筒が。中央区教育委員会事務局庶務課学校施設係とある。先日、明石小学校のことでインターネットを通じて「区長への手紙」を送ったのだが、それに対する返信だった。その行政サービスには心から感謝する。だが、中身はと言えば、申し訳ないがなんとも不満の残るものだった。
 区は、明石小学校をはじめとする校舎の建て替えは住民からの要望があったからだとする立場を絶対に崩さない。しかし、その要望とは「平成元年」に出されたものだ。バブルの名残を惜しんでいたような時期の視線では、あの校舎は汚れていて古くさいものにしか見えなかったことだろう。行政には、一歩も二歩も進んで、その見方が誤りであるという立場にいたってもらいたかった。
 それにしても、中央区というところは住民の声というものをそんなに大切にしてくれるのだろうか。だいたい、20年も前の「要望」を実現するために役所の人がずっとずっとがんばってくれていたなんて、ちょっと話がうますぎやしないか。校舎を建て替えると、きっとおいしいことがある。素人だって、いや素人だからこそ、そんなことを思う。