どこに立つか

 3・11。インターネットの「ビデオニュース・ドットコム*1」で「マル激トーク・オン・ディマンド 第569回(2012年03月10日)『これからわれわれは3・11とどう向き合うか』」を見る。
 人間というのは、わかりたくてわかりたくて仕方がない存在のようだ。しかも、自分がわかるようにわかりたいのだからやっかいなのだ。世間には「納得のいくように説明してくれ」という言い方があるが、これは実に象徴的なもので、そういう要求そのものが大きな矛盾をはらんでいる。
 現代の知は、手に負えぬ問題に出会ったとき、その周辺に存在しているかに思えるあれやこれやを引き合いに出して、ひたすらに自分の領域を守ろうとする。そこから一歩でも半歩でも踏み出してみればよいのだが、そうしないことが現代の知の証であるかのように、そこにとどまろうとする。
 どこに立つか。どこに立って生きるか。こういうことが「常に」問われている。聞き続けようとする生き方には、とどまることを自分に許さぬ覚悟のようなものが求められている。

*1:http://www.videonews.com/