ラ・サッポロ

 旅の2日目は札幌を離れて秩父別へ。110年余りの歴史を持つお寺を訪ね、ご住職と坊守さま、それに多くのご門徒のみなさんの歓迎を受ける。ご門徒のみなさんがお寺のために生き生きと働いていらっしゃる姿に触れ、お寺のありようというものを今さらながら考えた。
 ご住職のお話にあった「土徳」ということばがずしりと響く。しかし、その上にあぐらをかいていたのでは今のお寺の姿はなかったのであろう。800人の集まるビアパーティーを実現させる力はどこにあるのか、私たちはそこにこそ学ばねばならない。
 問われるのは私たちの姿勢である。このお寺のご門徒と同じこと(あるいは同じようなこと)が果たしてできるだろうか。同行した所属寺のご婦人の「親戚だって、あんなに親切にできるわけではない」ということばに大きくうなずいたことだった。
 それはそれは長い一日だった。一夜のうちにいくつもの夜を飛び越えてしまったような思いすら抱く。縁とは実に不思議なものだ。事実は往々にして思いを乗り越える。しかもやすやすと。