春の会務(後)

 昨日の続き。
 封筒に貼られた切手を見るのも楽しい。記念切手や珍しいデザインの切手を選んで使ってくださる方が多いのである。
 今年、これまでにすごいと思ったのは、東京オリンピックや国体などの記念切手が何枚も貼られた1通だった。その明細は以下の通り。

  • 第3回アジア競技大会記念 5円(1958)
  • 第15回国民体育大会記念〔体操〕 5円(1960)
  • 第15回国民体育大会記念〔剣道〕 5円(1960)
  • オリンピック東京大会にちなむ寄附金つき〔バレーボール〕 5+5円(1963)
  • オリンピック東京大会にちなむ寄附金つき〔射撃〕 5+5円(1963)
  • オリンピック東京大会にちなむ寄附金つき〔ホッケー〕 5+5円(1963)×2枚
  • オリンピック東京大会にちなむ寄附金つき〔自転車〕 5+5円(1963)×2枚
  • 第18回オリンピック競技大会記念 5円(1964)

 郵趣に深い関わりはないのでよくわからないのだが、それでも、このラインアップには驚いてしまう。これを送ってくださったのは現役を退かれた先生なので、身の回りのものを整理されているのかと思うと、一抹の寂しさも感じずにはいられない。だが、なかなかに見事な眺めなので、その一部を今日の1枚としてアップした。
 この1通には、もうひとつ驚いたこともある。貼られている10枚の額面を合計してみると50円にしかなっていないのだ。+5円というのは寄附金だから、郵便料金としては計算されない。ここにこんなことを書いて、料金を追徴されるようなことがあるなら、事務局としてその責めを負いたいと思っているが。
 封筒を開き中身をあらためるという作業を繰り返していると、封筒を手にした瞬間にある種の予感がし、それが的中してしまうこともある。
 その1通の差出人欄には、会員である先生の名前に添えて奥さまとおぼしき方の名前が記されていた。もしやと思い中をあらためてみると、名簿原票の最下部にある通信欄に短いメッセージがあった。

 ○○○○は、平成23年○月○日死亡致しました。残念です。

 全国大会でお目にかかったこともある先生だった。まだまだ働き盛りと言われる世代の先生ではなかったか。お浄土に還られてまだ半年も経っていない。詳しいことは何もわからないが、「残念です」ということばにすべてが凝縮されているような気がした。存じ上げぬことであったとは言え、なんともぶしつけな書類をお送りしてしまったことを申し訳なく思う。
 春の会務に携わって、いのちの現実を知り、生きる悲しみを知る。私のすべきことは、会員台帳上の「退会処理」をかけることだけではないはずだ。
  関連エントリー:http://d.hatena.ne.jp/riverson/20100429