千秋楽

 東宝は星組の千秋楽。未沙のえるさんの最後の舞台である。多くの下級生たちに慕われた「名優」がついに卒業のときを迎えたのだ。昨日、立見の整理番号が取れて大喜びだった姪が、少しおめかしして出かけて行った。
 スカイ・ステージの「Memories of 未沙のえる」で彼女の語ったことは、いずれも重みのあるものだった。特に印象に残ったのは、音楽学校で「きまり」として受け継がれていることが形式化してしまっていることへの批判とも取れる部分だった。例えば、彼女に理事になってもらい、校長になってもらっていたなら、数年前の不幸な出来事はなかったのではないか。そんなことさえ思ってしまった。
 今日のパレードは、鳴り止まぬ拍手で娘1の歌が聞き取れないほどであったという。59期生。同期には大地真央や平みちといったトップスターがいたが、彼女もまた誰も真似することのできない「未沙のえる」というスターを演じきったのだと思う。今はただひとこと、お疲れさまと申し上げたい。