CAN-CAN
ネット上で買い求めたビデオ『CAN-CAN/マンハッタン不夜城』が届く。1996年に月組が大劇場で上演した舞台を記録したものだ。久世星佳と風花舞の主演お披露目であると同時に、82期生の初舞台公演でもある。
『CAN-CAN』は1893年のパリを舞台にしたミュージカルで、コール・ポーター(Cole Porter)の作詞・作曲、エイブ・バローズ(Abe Burrows)の脚本によるもの。ブロードウェイでの初演は1953年の5月で、2年後の6月まで892回に及ぶロングランになったという記録が残っている*1。
宝塚版の脚色・演出は谷正純。この公演のことは以前もここに書いたことがあるが*2、先日、あるところで話題にのぼり、どうしても最初から見たくなってしまった。それで、ネット上で品質のよさそうなものを探し出し購入した次第。
風花舞の踊りのキレのよさは言うまでもない。舞台装置も衣装も金のかかっていることがよくわかり実に豪華である。そして何より、この舞台が海外物を輸入したとは思えないほどに各人の役割がピタリとはまっているのだ。男役トップ、1番手、2番手、娘1、それに次ぐ娘役、また専科の生徒と、いずれも当て書きではないかと思うほどである。
娘役贔屓の目で見れば、まず、千ほさち(80期)は退団後の線の細いイメージとは異なりたっぷりとした演技を見せている。美原志帆(72期)は研11ということを感じさせない愛らしさで、息の長いジェンヌとなることを予感させている。
あっという間の1時間半だった。勢いでショー『マンハッタン不夜城』(作・演出:草野旦)まで見て、あれこれのことをほったらかしにしたまま休むことにする。明日は千住で補講を4コマ。