りばそんアーカイブズ#5

 朝からあちこち買い物に出て、午後は片付けもの。リビングが会の事務所のような状態になっていたものだから、それをどうにかしなければと始めた。19時半、なんとかすべてのことを終え、お内仏にお花を供え、お香を焚いて一息つくことができた。


 書類を整理するうちに、震災の5日後に事務局から会長に宛てて送ったメールのコピーを見つけ、思わず読み返してしまった。4日後に京都で予定されている理事会および研究例会、それに2か月後に広島で予定されている全国大会について相談する内容のメールである。メールを送ったあと、このコピーに前書きをつけてファクスしたところ、折り返しの電話をもらったのだった。
 地震、津波、原発事故。直接の被害を受けられた方々の悲しみや苦労を思えば、小さな会の運営のことなどまったく些細なものなのだろう。けれど、ひどく慌てている自分を思い出すとき、そこにはそのときの私にとっての「精一杯」や「一所懸命」があるような気がする。
 平穏と復興を願いつつ、ここに記録したい。

○○先生


 ××です。
 お忙しくお過ごしのことと存じます。
 突然のことでたいへん恐縮ですが、京都での例会・理事会、また今後のことについてご相談したくメールを送らせていただきます。
 昼前にお電話いたしましたが、お出でになりませんでしたのでメールにさせていただく次第です。
 今回の地震では甚大な災害が起こり、誘発された地震も続いております。先生には地震の直後よりメールを頂戴し、京都行きについては無理のないようとのおことばを頂戴しありがとうございました。おかげさまで無事に暮らしてはおりますが、地震の当日や翌日の段階では想像することのできなかった事態に立ち至っているようにも思われます。緊急地震速報の警報音がたびたび鳴り、度重なる余震に身体が始終揺れているような心持ちがいたします。
 先ほど東京在住の会員の方より京都での例会は予定通り開催させるのかといった問い合わせがありました。ご本人は参加を予定されていたようですが、このような状況のもとで家を空けられないとお考えになったようです。交通網の復旧に見通しが立たず電力供給についても不安のある状況下、この先のこと(具体的には広島大会の開催)について会として一定の方針を打ち出す必要があるのではないかとのお叱りのようにも聞こえました。
 昨晩10時半には静岡県を震源とする地震があり、今日になっても茨城沖の大きな地震をはじめ、余震が誘発地震が頻発しております。これらがいわゆる「東海大地震」とは無関係であるとの分析は聞かされていますが、不安は増すことはあっても減ることはないように思われます。正直を申しますと、家を空け、当地を離れることについては大きな心配があります。
 つきましては、今回の理事会および研究例会について、私どもの出席をどうするかということにとどまらず、開催そのものについて検討する必要があるのではと思い、ご相談申し上げる次第です。
 今回の理事会は広島大会のプログラムを検討することが主な議題となっておりますが、この大会の中止もしくは延期についても併せて検討の要を感じております。
 京都での理事会・例会、広島での大会と、いわゆる西での開催予定が続き、予定通りにこなすことも不可能ではないとは思いますが、現況では関東以北からの参加はほとんど望めないように思います(例えば、福島の△△先生からは早々と広島大会への参加申し込みをいただき発表要旨も送っていただいておりますが、お住まいの南相馬市が被災したとの報を受け心配しているところです)。全国学会を標榜する以上、日本中を見回す必要もあろうかと感じております。
 ただ、今回の例会についてはお二方がかねてより発表を準備していらっしゃいますので、その方々のことを考えると急に取り止めるのはたいへん申し訳なく思います。大会についてもさっそく発表要旨をお送りくださった方が3人もいらっしゃいますので、同様に思われることです。
 長くなり、またまとまりもなく、申し訳ありません。
 またお電話させていただきますが、考えるところをあらかじめお読み願えればと思い、メールさせていただいた次第です。
 ご多用のところたいへん恐縮ですが、ご検討いただきたくよろしくお願い申し上げます。
 ごめんください。


追)
 今回の理事会で予定した議案のうち大会プログラムの確定以外については、多くのことをグループメールでのやりとりで解決できないかと考えております。事務局としては《6. 2010年度会計について》が気になりますが、これについては3月末日をもって締め、4月初旬をめどに正式のものをみなさまにお示ししたく思います。なお、今回の理事会にあわせ発送を予定しております名簿原票については、3月末日をめどに発送できれば問題ありません。これについては月報編集部と連携して処理いたします。