オークション

 まあ、1万円までは出してもいいかなと思っていたのだが。何って、いやいや今日のオークションの話。スタートは「3千円から」ということだったので、まあ様子を見ようと「3千円!」と言ってみたのだが、いきなり「1万円!」と言う人がいて後が続けられなくなってしまった。
 そこは「3千円!」「5千円!」「7千円!」「1万円!」「チェッ!」という流れでしょうに。オークションってのはどう盛り上げるかがポイントなのであって、こういう無粋なのはいけない。よっぽど欲しかったのだろうとは思うけれど、やっぱりそれはいけない。いい大人のすることではない。
 季節はずれではあるが、夏の縁日の金魚すくいで、すくっただけ持ち帰るような無粋をしてはいけない。数を競って遊んだら、2、3匹を袋に入れてもらって持ち帰るのが大人の遊び方だ。佃煮にするわけじゃあるまいし、そんなに金魚はいらなかろうって。ヨーヨー釣りもスーパーボールすくいも同じ。
 この季節の風物詩である「酉の市」はすでに始まっている。今年は11月の2日・14日・26日なのだとか。門徒として生きる以上は、三の酉まである年は火事が多いというから気をつけろなどとは言わないし、だいたい熊手を求めるようなこともしないけれど、もしも買ってみようとする人がいるならきちんとした方がよい。
 つまり、値引きの交渉はことばのやりとりとして十分に楽しんでよいけれど、それだけを支払うような無粋はいけないのだ。値引き分は「ご祝儀」として渡して帰る。これに備えて、懐紙やポチ袋などを持ち歩いておくのもよいだろう。
 無粋だというのはすぐにわかるが、自分が本当に粋に暮らすとなれば、それはそれでなかなか難しい。やせ我慢というのは、ダイエットにもならないようだし。