清掃奉仕

 窓ガラスの汚れを落とすには水拭きをするけれど、最終的には乾拭きで仕上げるべきである。雑巾を用いてもよいが、昔ながらの知恵で新聞紙を活用することもできる。何度拭いても水滴や「拭きすじ」が残ってしまうことに困っている方を見て、ご自宅での窓拭きはどのようになさっているのだろうと思いながら、ここは黙って自分の出番とすべきなのだと考えた。
 窓は、身を乗り出さずに腕を伸ばすだけで半分が拭けるほどの幅がよい。私の腕がもう少し長ければ、そのような注文もせずに済むのだが、こればかりは致し方ない。雑巾は縫っていない方がよい。手ぬぐいの端と端を縫い合わせて輪のようにするのがよいと言ったのは幸田文だった。小学校のときに塾の教材で読んだ文章にそう書いてあったことを覚えている。そうして、今でも幸田文は正しかったと思う。
 清掃奉仕。今年もその季節が巡ってきた。報恩講へのカウントダウンが始まっている。