到達点

 夜、西落合で2時間の勉強。その前後に、レビューの演出家氏と話す機会を得た。座長が日替わりで交代するという無謀とも思える企画の背景を聞き、想像以上の苦労があったことを知った。
 さすがに3日も通ったもので、同じ曲でも演者の立ち位置が違っていたことには気付いていたが、詳しく聞くと全154曲がそれぞれ異なったものとして構成されていたとのこと。最終日の新宿での公演はたいへんな盛り上がりだったが、それも当日までつくり込んだものと聞かされた。
 最終日について「震えるような思いがした」「すごい人気劇団になったような気がした」とのことばがあったが、率直なところなのだと思う。私も、ことば遣いとして失礼かとは思ったが「一皮むけたような気がする」「違う高みに立ったのではないか」と応じた。決してお世辞ではない。
 個人名を挙げての評価もあり、ある演者について「現段階における到達点」と表現されたことは実に納得のいくものだった。結果として演出家氏の判断に影響を与えてしまったひとりとして、私(たち)の期待する方向性に間違いのなかったことを喜びたい。