Oh, Tommy!

 今日も大塚へ。ご近所のレビュー好きのご婦人と姪とともに「ROUGE FESTIVAL 2011: Palette Revue」を観る。今日の座長は、姪がファンを公言している冨田真裕子さん。
 今日は、今年の2月に初めて ROUGE を見て冨田さん以外は目に入らなくなってしまったという姪の感覚を、後付けながら確かめることとなった。
 踊りはもちろんのこと、さまざまのシーンにおける身のこなしのすべてが美しい。群舞の中にあっても、その美しさは際立っている。指先にまできちんと表情があり、ただ立っているように見える瞬間でさえ全身に張り詰めたものを湛えている。腰や肩の入れ方、伸ばしたときの腕や見上げたときの顎の角度、一連の動きにおける緩急のバランス、どれをとっても見事だ。努力によって得られたものであればそれを讃えたいし、無意識のうちに「できてしまう」のであればその才能に驚嘆せざるを得ない。
 少し残念なのは、歌う場面が多く踊りが少なかったこと。つまりは、その身のこなしの美しさを目にする機会が願ったほどはなかったことなのだが、そう言ってしまっては贅沢に過ぎるだろうか。
 ソロの歌唱は「黄昏のビギン」、「シルエット・ロマンス」、それにオリジナルの「回転木馬」ほか。選曲はある意味、抜群だ。先日発売されたCDでは鼻濁音に若干の「揺れ」が感じられたのだが、今日は完璧だった。鼻濁音に絶対の価値を求めるものではないが、出さない方がよいとも思えない。冨田さんの「母語」には存在しないはずの音だが、よく意識されたのだと思う。
 さてと、にわか評論家は終わりだ。明日は千秋楽。新宿の大きな舞台が待っている。ときめきを止めないで。そう、そういうことだよ。