キレイ

 どうにかこうにか宿を出て、西条の町へ。Mi君が「忘れられない味」と言った「亀齢」の酒蔵を訪れた。実は土曜の晩、居酒屋でその大吟醸を口にしてすっかり虜になっていたのだが、辛口との評判もある「普通の」酒を試してみたいと思ったのだ。
 ここを訪れた者しか手に入れることができないという「万年亀」は控えめな華やかさがうれしい。ご主人も値段以上の品質とさりげなくおっしゃっていたが、まったくその通りと思った。本醸造の「舞亀」は辛口の評判を裏切らないすっきりとした飲み口。飽きの来ない味わいである。
 どちらも送ってもらうことにして、帰り際には酒蔵の入口にある井戸で持参のペットボトルに水を詰めさせてもらった。仕込み水に使われている龍王山の伏流水とのこと。こんな水を毎日飲める町の人たちがうらやましい。
 土産に「川通り餅」を求め、広島始発12時44分の新幹線で帰京。車内では爆睡し、西落合での家庭教師をこなして帰宅した。明日からまたがんばらねば。