hommage

 火曜日と木曜日の大学1年生のクラスでは、懐かしいポップソングを教材化したものを使っている。教科書に付属のカセットテープ(!)にはニセモノの歌手が吹き込んだ歌が収録されているのだが、聴いていてもなんだかちょっと気分が出ない。そこで、知恵を絞ってホンモノを聴けるようにしてみたのだが、やっぱり説得力が違うなあと思う。
 カーペンターズの Top of the World は例文集のように勉強になる歌だが、これを扱った章を終えるついでに We've Only Just Begun Close to You も聴いてみた。それぞれに邦題が付けられていて、前者は「愛のプレリュード」、後者は「遙かなる影」である。
 この「遙かなる影」、もともとはハル・デイヴィッド(Hal David)とバート・バカラック(Burt Bacharach)が作った曲なのだそうだ。カーペンターズが独自のアレンジでリリースしヒット・チャートを上り詰めたのは1970年のこと。他にも多くの人がカバーしている。
 ところでこの歌、改めて歌詞を読んでみると、よくこんな曲が付けられたものだと思うような内容だったりする。

 That is why all the girls in town
 Follow you all around
 Just like me, they long to be
 Close to you

 これはアイドルポップスが華やかだった時代の南野陽子の世界。どこが似ているというのではないのだけれど「話しかけたかった」にモチーフの類似性を見出せはしないだろうか。名曲「話しかけたかった」は1987年4月の発売で、作詞が戸沢暢美、作曲は岸正之。