長い長い一日

 日頃から親しくさせていただいているお寺のご修復がなった。美しく機能的な客殿に初めてお邪魔すれば「うちのお寺も」との思いを抱かないではない。
 午後は落成慶讃法要。近田師のご法話をうかがい、お寺の伽藍を「がらんどう」にしないためにあゆみを続けることの大切さを考える。人々が集い、法を聴き、お勤めをするというごくごく基本的なことを日頃から積み重ねていくこと。これこそがお寺の生命線である。私たちも、もっともっとがんばらなければ。
 こちらのお寺には七代の正蔵師と初代の三平師のお墓がある。そのご縁で「記念落語」の高座には九代が。もはや「こぶ平」の面影はない。阿弥陀さんの前で語られる「お菊の皿」は、霊魂の存在を笑い飛ばしてしまおうというメッセージだというのは考え過ぎか。
 夜は記念の祝賀会にも出させていただく。よそのお寺ではあるけれど、ご住職とお坊守ばかりでなく多くのご門徒さんともつながりをいただいてきたのだということを実感した。こちらのお寺のご門徒でお浄土に還られた懐かしい方のことなど、ぽつりぽつりと思い出してみたりもする。
 その後、娑婆の縁あって大塚まで。思いがけぬプレゼントもいただき、うれしい夜になったけれど、翌日の仕事を思えば無理は禁物だ。