いごっそうとはちきんを思う

 投票日。女性の参政権について調べるうちに楠瀬喜多(くすのせ=きた、1836-1920)という女性の名を知る。周囲の人たちから「民権ばあさん」と呼ばれた彼女を育んだ土佐という土壌。自由民権運動発祥の地としての高知というところに興味を持った。
 土佐の高知には縁もゆかりもないのだが、ここに生まれ育った槇村浩(まきむら=こう、本名:吉田豊道[よしだ=とよみち]、1912-1938)と山原健二郎(やまはら=けんじろう、1920-2004)の名を思い出さずにはいられない。よくよく考えてみたら、この2人は8つしか違わないのである。人間は時代に生きるということをあらためて思わされる。
 3つ目の職場で先輩が貸してくれた『人間の骨』(土佐文雄、1974、東邦出版社)という槇村浩の生涯を綴った本を急に再読したくなり、ネットで探して買い求める。Amazonマーケットプレイスで550円。あれこれ調べるうちに、某宗教団体の名誉会長職にある人が槇村を評価していたという話をとあるブログで読み、めまいのする思いがした。
 まことに投票日にふさわしい過ごし方をする今日の私である。投票所へは昼前に。