正統派

 後出しジャンケンのようで心苦しいのだが記しておく。ミーハーでありながら屈折したところのある自分には正統派アイドルというのはどうも苦手で、ただ遠巻きに見るだけの人でしかなかったのだけれど、ある頃から、芸能ニュースなどで時折見るその表情に「はすっぱ」なものを感じていた。うがった見方をするのは得意な方だったが、どうにもそれが本当のことになりそうで驚愕している。
 この際、屈折した自分としては、さらにこの裏を読む必要があるとも思う。例えば、すべては仕組まれたもので実ははめられているとか、何かの組織に連れ回されていて出て来ようにも出て来られずにいるとか、人々の目を何か大切なことからそらさせるために本当はすでに身柄を保護しているのに逃げ回っていることにしているとか。てのひらを返したようにあれもこれもと書き立て言い立て見せ立てるメディアを見ていると、背筋に冷たいものを感じてしまう。