夏薊忌によせて

 伊藤裕道先生がお浄土に還られて今日で丸4年になる。先生のご命日に名前をと思っていたことはここにも記したが、今日からは「夏薊忌(あざみき)」と名付けて大切にしていきたいと思う。

  季(とき)ならぬ野分きに倒る夏薊(なつあざみ)    謙介

 この名を決めるに際しては会の先輩に助言をいただいたが、伊藤先生の亡くなった日かご葬儀の日に詠んだとおっしゃるこの句の中にある「夏薊」ということばに強くひかれるものがあった。
 野にあって静かに咲く夏薊は、こつこつと粘り強く地道な調査と研究を進められた伊藤先生の姿である。合掌。